SGLT2阻害薬の「フォシーガ錠」(ダパグリフロジン)が国内で慢性心不全に対する効能又は効果の追加承認を取得しました
SGLT2阻害薬である「フォシーガ錠 5mg、10mg」は「1型糖尿病」「2型糖尿病」を適応症としていましたが、2020年11月27日に国内において「標準治療を受けている慢性心不全」に対する効能又は効果の追加承認を取得しました。
この承認については、2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した心不全を対象としたDAPA-HF試験1)の結果に基づいています。同試験において、フォシーガは標準治療との併用で、主要複合評価項目(心血管死および心不全の悪化)をプラセボ群と比較して26%低下させ、また、心血管死および心不全の悪化の両者において全体的にリスクを低下しました。安全性についても、本剤のこれまでの安全性プロファイルと一致していました。
今回の効能又は効果の追加承認により、糖尿病の有無に関わらず慢性心不全に対してフォシーガを使用可能となります。これにより、標準治療で十分なコントロールが困難な慢性心不全患者に対する治療選択肢が広がり、さらなる予後の改善を期待したいと思います。
(情報元:アストラゼネカ株式会社プレスリリース、小野薬品工業株式会社ニュースリリース(2020.11.30))
1) N Engl J Med 2019; 381:1995-2008
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1911303?query=main_nav_lg