GLP-1受容体作動薬リラグルチドが2型糖尿病患者における腎アウトカムを改善(LEADER試験サブ解析)
2型糖尿病患者の標準治療にGLP-1受容体作動薬リラグルチド(ビクトーザ®)を上乗せした場合の心血管イベントに与える影響を検討したLEADER試験のサブ解析として、腎アウトカムに関する結果が2017年8月31日に発表されました。LEADER試験は、心血管リスクの高い2型糖尿病患者9,340例を対象にリラグルチドの心血管アウトカムを検討したプラセボ対照無作為化二重盲検試験です(観察期間中央値:3.8年)。リラグルチド群には、標準的な糖尿病治療に上乗せしてリラグルチド1.8mg(または最大耐用量)が投与されました。
腎アウトカムの副次評価項目は、持続性アルブミン尿の新たな発症、血清クレアチニン値の倍化、末期腎不全、腎疾患による死亡とされましたが、リラグルチド群ではプラセボ群と比較して腎複合アウトカムの発生率を有意に減少させました(ハザード比:0.78, p=0.003)。これは主にリラグルチド群で、持続性アルブミン尿の新たな発症を有意に減少させたことによるもので(ハザード比:0.74, p=0.004)、血清クレアチニン値の倍化と腎代替療法の発生率は、リラグルチド群とプラセボ群で有意差は認められませんでした(各々、ハザード比:0.89, p=0.43、ハザード比:0.87, p=0.44)。
1.8mgという投与量はわが国で定められた用量(0.9mg)の倍ではありますが、SGLT-2阻害薬と同様にGLP-1受容体作動薬でも腎アウトカムの改善を示した意義ある報告です。
N Engl J Med. 2017 Aug 31;377(9):839-848.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1616011