GLP-1受容体作動薬デュラグルチドが幅広い2型糖尿病患者で心血管イベントを有意に減少(REWIND試験)
REWIND試験は、プラセボを対象としたトルリシティ®(デュラグルチド)1.5mg週1回投与(※)の心血管イベントの発現率を検証する無作為化二重盲検比較試験です。参加者は24ヵ国(日本は不参加)から9,901名、糖尿病の罹病期間の平均値は10年、ベースラインのHbA1c平均値は7.3%で、参加者の31%にベースライン時点で心血管疾患の既往がありました。主要評価項目はMACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中から成る複合評価項目)の初発であり、本主要評価項目を達成したと2018年11月5日にプレスリリースがなされました。
これまでの他の心血管アウトカム試験とREWIND試験との大きな違いは、心血管疾患の既往を有する参加者が31%と少数であること、追跡期間中央値は5年以上であり、GLP-1受容体作動薬の心血管アウトカム試験としては最長の追跡期間であること等が挙げられます。他の心血管アウトカム試験では、HbA1cのベースライン値がより高い人や、心血管疾患の既往歴を有する人の割合が多い試験であり、心血管疾患の有無に関わらない幅広い2型糖尿病患者に対する本試験の結果は前例のない重要性を示したものと考えられます。
本試験の詳細な結果は2019年の米国糖尿病学会学術集会にて公開予定となっています。
(※本邦におけるデュラグルチドの承認用量は 0.75mg 週1回投与であり、本試験の内容は承認用量外となっていますので、注意が必要です。)