2019年3月26日にSGLT2阻害薬の「フォシーガ®錠(ダパグリフロジン)」の効能・効果、用法・用量に1型糖尿病が追加されました
2019年3月26日にSGLT2阻害薬である「フォシーガ®錠」の効能・効果および用法・用量に1型糖尿病が追加されました。2018年12月に「スーグラ®錠」も同様の効能・効果等を取得しており、国内では1型糖尿病に適応を有する2剤目のSGLT2阻害薬となりました。
「フォシーガ®錠」の1型糖尿病に対する効果を評価するための試験としてDEPICT(Dapagliflozin Evaluation in Patients with Inadequately Controlled Type 1 Diabetes)試験が有名です。この臨床試験にはDEPICT-1とDEPICT-2があり、DEPICT-2においてアジア人(主に日本人が参加)に対する効果が示されました。いずれの試験においても、インスリン治療中の1型糖尿病患者に対して「フォシーガ®錠」投与群でプラセボ群と比較してHbA1c値の改善、総インスリン投与量の減少、体重減少を認めました。安全性に関しては、糖尿病性ケトアシドーシスの発生がプラセボ群と比較して「フォシーガ®錠」投与群で多く認められました。
「スーグラ®錠」と同様、あくまでも本剤はインスリン製剤の代替薬ではなく、インスリン製剤の投与を中止すると急激な高血糖やケトアシドーシスを来す恐れがあるため、1型糖尿病に対してはインスリン製剤との併用が必須です。また、本剤とインスリン製剤を併用する場合には低血糖リスクが高まる可能性があるため、併用の際にはインスリン製剤の減量を検討する必要があります。