おかやまDMネット(岡山県糖尿病対策専門会議)

魚・肉→ごはんの順に食べると、食後血糖が抑えられる?

野菜から先に食べる(ベジ・ファースト)と食後血糖が上がりにくいことは今までに報告されてきましたが、魚や肉ではどうなるのでしょうか?

この研究は、2型糖尿病患者12名と健常者10名を対象に行われた単施設無作為化クロスオーバーの探索研究で、日本で行われました。3日間の朝食負荷試験が行われましたが、第1日目と第2日目は「ごはん→魚(サバの水煮)」あるいは「魚→ごはん」をクロスオーバーで行い、第3日目は「肉(牛肉の網焼き)→ごはん」の順としました。

結果は、2型糖尿病患者において、「ごはん→魚」と比べて、「魚→ごはん」と「肉→ごはん」で食後の血糖上昇(15~240分の血糖曲線下面積)と血糖変動が改善しました。また、2型糖尿病患者及び健常者において、「魚→ごはん」と「肉→ごはん」ではGLP-1の分泌が増強され、特に「肉→ごはん」で他の2つよりもGLP-1の分泌が促進されました。「魚→ごはん」と「肉→ごはん」は胃内容排出を遅らせ、そのことが食後血糖上昇および血糖変動の改善に関連しているものと考えられました。さらに、「魚→ごはん」よりも「肉(飽和脂肪酸を含む)→ごはん」の方がGIPの分泌が著しく増加し、GIPの脂肪蓄積作用により長期的には肥満の原因となりうることも示唆されました。

今までに報告されていた野菜のみならず、肉料理や魚料理でも食べる順番で食後血糖に差が出ること、そしてそのメカニズムをインクレチン(GLP-1, GIP)分泌や消化管運動の観点から論じた意義深い論文です。

Diabetologia. 2015 Dec 24. [Epub ahead of print]

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