非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬のフィネレノンが2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者を対象とした腎アウトカム試験で主要評価項目を達成(FIDELIO-DKD試験)
FIDELIO-DKD試験は、2型糖尿病を合併する早期から進行期の幅広い重症度の慢性腎臓病(CKD)患者が対象となっています。本試験は、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノンとプラセボを検討した無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設、イベント主導型の第Ⅲ相臨床試験で、世界48カ国の1,000以上の施設から約5,700人の被験者が登録されました。被験者は、標準治療として血糖降下剤、RAS阻害薬の最大耐用量に上乗せして、フィネレノン10mgまたは20mg を1日1回経口投与する群、もしくは、プラセボを投与する群に無作為割付けされました。
フィネレノンは、複合評価項目(腎不全の発症、4週間以上持続するベースライン時点から40%以上の持続的なeGFR低下、腎臓死)の最初の発現までのリスクを有意に低減し、CKDの進行を抑制することを示しました。また、フィネレノンは、副次複合評価項目(心血管死または非致死的心血管イベント[非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院])の最初の発現までのリスクも有意に低減しました。本試験の詳細なデータに関しては今後開かれる学術集会で発表される予定です。
2020年7月現在、本邦においてはフィネレノンは発売されておらず使用できませんが、将来的に使用可能になることで、2型糖尿病を合併するCKD患者の腎予後の改善が期待できるかもしれません。
(情報元:バイエル薬品株式会社 ニュースリリース(2020.7.13))