心血管および腎疾患ハイリスクの成人2型糖尿病患者においてDPP4阻害薬リナグリプチンの心血管安全性が証明(CARMELINA試験)
CARMELINA試験は、プラセボを対象としたリナグリプチン(トラゼンタ®)の心血管および腎アウトカムへの長期安全性を検証する二重盲検試験で、世界27か国の心血管イベントの高リスクで、腎障害がある成人2型糖尿病患者6979例が解析対象となった。本試験の結果は2018年10月にベルリンで開催された欧州糖尿病学会で発表され、JAMAに掲載されました。主要エンドポイントである心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中(3ポイントMACE)でリナグリプチン群のプラセボ群に対する非劣性が証明されました。また、重要な副次エンドポイントである腎複合イベントに対しても有意差は認めず、長期の心血管および腎臓に関する安全性が示されました。さらに、アルブミン尿の発症・進展に関してはリナグリプチンで有意な抑制効果が認められました。
これまでのDPP-4阻害薬を使用した大規模試験と同様、CARMELINA試験においても心血管アウトカムの改善は認めませんでしたが、腎機能が低下した患者へのリナグリプチンの長期安全性が実証され、かつ、アルブミン尿を改善する可能性があるという一部ポジティブな結果が示されたことは重要な知見と考えられます。
JAMA. 2018 Nov 9. doi: 10.1001/jama.2018.18269. [Epub ahead of print]https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2714646