シタグリプチンを含有する医薬品からニトロソアミン類の一種7-Nitroso-3-(trifluoromethyl)-5,6,7,8-tetrahydro[1,2,4]triazolo-[4,3-a]pyrazine（以下「NTTP」）が検出されたことを受け、厚生労働省やMSD株式会社、小野薬品工業株式会社から文書が発行され、日本糖尿病学会・日本糖尿病協会からも通知がありました。

今回検出されたNTTPが発がん性を有するかは不明となっています。一方、シタグリプチンは２型糖尿病治療薬であり、米国食品医薬品局（FDA）は、現時点で患者が医療の専門家に相談せずに服用を止めることは危険な可能性があるとして、無治療期間を防止するためにも臨床上適切な場合には使用継続を推奨しています。

そのため、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会は「シタグリプチン含有製剤（ジャヌビア、グラクティブ、スージャヌ）を服用中の皆様は、本件について心配な点があれば自己判断で服用を中止せず、主治医にご相談ください。糖尿病診療に従事する皆様におかれましては、患者さんから相談を受けた場合、糖尿病に対する治療継続の必要性をご説明いただき、他の薬剤への切り替えを希望された際には、血糖コントロールの悪化等がないよう十分留意の上、ご対応ください。」と通知しています。

糖尿病診療に関わる皆様におかれましても、ご留意ください。

 

（情報元）
・日本糖尿病学会、日本糖尿病協会．シタグリプチンにおけるニトロソアミン類の検出報告について．
・厚生労働省．シタグリプチンリン酸塩水和物製剤におけるニトロソアミン類の検出への対応について．
・MSD株式会社．ジャヌビア®錠およびスージャヌ®配合錠　シタグリプチン含有製品でニトロソアミン類が確認された件につきまして
・小野薬品工業株式会社．グラクティブ®錠　シタグリプチン含有製品でニトロソアミン類が確認された件につきまして．