岡山県糖尿病性腎症重症化予防シンポジウムのお知らせ(令和3年1月31日(日))
岡山県糖尿病性腎症重症化予防シンポジウムの開催をご案内いたします。
糖尿病性腎症は、わが国における最大の透析導入原因疾患であり、腎症の重症化を予防することが、糖尿病患者さんのQOL及び生命予後の改善と医療費の適正化のために喫緊の課題となっています。糖尿病性腎症重症化予防プログラムは、医師会、専門医、かかりつけ医、保険者(行政)などが有機的連携体制を構築することによって、糖尿病腎症患者の重症化を予防することを目的としており、岡山県では、医師会と保険者(行政)等が連携して実施する「糖尿病性腎症重症化予防プログラム(岡山方式)」を策定しています。
本シンポジウムでは、糖尿病性腎症の診断と治療に関する最近の進歩と話題をご紹介し、岡山県における透析医療の現況と腎不全の治療についてお話しするとともに、腎症の食事療法について最近の考え方をご紹介する予定です。また最後に、ディスカッションの時間を設けております。
今年度は、新型コロナウイルス感染症への予防対策として、オンラインで開催させていただきます。
参加ご希望の方は、下記の申込みボタンより事前申込みをお願い申し上げます。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。
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<Web配信>
岡山県糖尿病性腎症重症化予防シンポジウム
「糖尿病性腎症の克服を目指して」
■日時:令和3年1月31日(日)13:00~15:15 ■方法:Web配信(Zoom) ■対象:医師、メディカルスタッフ、行政職員 ■参加費無料、定員500名 ■取得単位 岡山県医師会生涯教育講座(CC:76糖尿病) おかやま糖尿病サポーター更新研修会B認定 ■申込み方法
令和3年1月29日(金)までに
下記の申込みボタンよりお申込みください。 当日参加可能です。
下記の申込みボタンよりお入りください。
| ※クリニックすると拡大表示します※ |
◎注意事項◎ ・アクセス集中によるトラブルを防止するため、事前登録制とさせていただきます。 ・ご視聴は、事前登録いただいたご本人様に限らせていただきます。 ・単位(日本医師会生涯教育講座、おかやま糖尿病サポーター更新研修会B)を希望される方が複数人で視聴された場合、お一人しか単位の付与ができませんのでご注意ください。単位の取得方法については、申込フォームの中に記載しておりますのでご確認ください。 ※当日の設備トラブルや、ご利用のプロバイダ・パソコンにおけるトラブルや制限等、不測の事態によりご覧いただけない場合がございます。その際はご容赦くださいますようお願いいたします。 |
◎当日の手順について◎ ○パソコンから ・事前申込み時に使用したメールアドレス宛に届いた当日参加用URLをご準備ください。 ・当日参加用URLをクリックすると視聴ページにアクセスできます。 ・ブラウザが立ち上がった後、「Zoomミーティングに参加する」または「ブラウザから参加」を選択いただければ、インストール不要で視聴が可能です。 ○スマートフォン・タブレットから ・事前にZoomアプリのインストールを行ってください。 ・事前申込み時に使用したメールアドレス宛に届いた当日参加用URLをご準備ください。 ※当日のシンポジウム参加時は、『ご勤務先名、職種、お名前』のご入力をお願いいたします。 |
◎講演内容◎ 講演1 「糖尿病性腎症の克服に向けて ~最近の治療の進歩と岡山県における対策~」 岡山大学病院 新医療研究開発センター 教授 岡山県糖尿病対策専門会議 会長 四方 賢一 糖尿病性腎症はわが国における末期腎不全の最大の原因疾患である。糖尿病性腎症の治療は、血糖管理、血圧管理とレニン-アンジオテンシン系阻害薬の使用が基本であり、脂質と尿酸値の管理や食事療法を併せて、多方面からのアプローチが必要である。現在、糖尿病性腎症に対する治療薬として十分なエビデンスを持つ薬剤はACE阻害薬とARBのみであるが、最近、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の大規模臨床試験の結果から、両薬剤が腎症の進展を抑制することが明らかとなり注目を集めている。また、現在糖尿病性腎症に対する複数の治療薬の治験が行われており、近い将来に実用化される可能性がある。 一方、糖尿病性腎症が慢性透析療法導入の最大の原因疾患であることから、腎症の重症化を予防するための全国的な取組として、糖尿病性腎症重症化予防プログラムが策定された。岡山県では、糖尿病医療に関わる医師およびメディカルスタッフの資質向上と県民への普及・啓発を推進する目的で、2012年度より岡山県糖尿病医療連携推進事業が発足し、約740の医療機関が参加する糖尿病医療連携ネットワーク(「おかやまDMネット」)を構築している。おかやまDMネットの医療機関や医療スタッフが本事業に参加することにより、実効性のある事業が期待できる。現在、岡山県、岡山県医師会や各自治体との間で協議を行い、それぞれの実態に即した腎症重症化予防対策(岡山方式)を進めている。 本シンポジウムでは、糖尿病性腎症の診断と治療に関する最新のエビデンスを紹介するとともに、岡山県における腎症重症化予防対策事業についてご紹介したいと考えている。 ———————————————————————————————————- 講演2 「岡山県のCKD対策・透析医療と 糖尿病性腎症の腎不全管理」 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液浄化療法人材育成システム開発学 教授 岡山県CKD・CVD対策専門会議 会長 杉山 斉 慢性腎臓病(CKD)の概念は2002年に米国で提唱されました。2007年から岡山市CKDネットによる医療連携が始まり、2008年から世界腎臓デーに合わせたCKD啓発イベント、2012年に岡山県CKD・CVD対策専門部会が立ち上がり、2013年から県民公開講座が開催されています。2018年に厚労省から腎疾患対策検討会報告書が出され、CKDの早期発見、適切な治療、CKD重症化予防を徹底し、透析患者さんの生活の質(QOL)の維持向上を図るという目標が盛り込まれました。2019年には国会議員による「患者と共に慢性腎臓病(CKD)対策を推進する議員連盟」(通称:CKD議連)が立ち上がりました。私共は、2018年から岡山県の市町村別の透析患者数の調査を開始し、県内各自治体レベルでのCKD重症化予防の取組を指導しております。糖尿病性腎症は透析導入の原疾患で最多であり、糖尿病性腎症の重症化予防は、慢性腎臓病(CKD)対策や透析医療と大きく関わっております。 本講演では、岡山県のCKD対策の現状と課題、透析医療の現況、そして糖尿病性腎症の腎不全期の管理(血液透析、腹膜透析、腎移植)についてお話ししたいと思います。 ———————————————————————————————————- 講演3 「糖尿病性腎症の集約的治療を支える食事療法 ~栄養ケアステーションで継続的食事療法~」 公益社団法人岡山県栄養士会 会長 くらしき作陽大学 食文化学部栄養学科 専任教授 坂本 八千代 糖尿病性腎症を含めた血管合併症の発症・進行抑制ならびに生命予後改善のために適切な体重管理を含む生活習慣の修正並びに血糖・血圧・脂質の管理といった集約的治療が推奨されている。具体的には適切な体重管理、運動、禁煙、食塩制限などの生活習慣の修正であり、HbA1c7.0%未満、収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満、LDLコレステロール120㎎/dL、HDLコレステロール40㎎/dL、中性脂肪150㎎/dL未満(早朝空腹時)である。かりつけ医、専門医への定期的な受診に加え、管理栄養士による栄養食事指導が重要なポイントとなる。患者さん自身が継続して実行するために対象者それぞれにあった指導が必要となる。 岡山県栄養士会栄養ケア・ステーションへかかりつけの開業医から要請があれば管理栄養士を派遣することができる。事前の手続きが必要ではあるが、必要な栄養食事療法を継続する一助になると考える。 |