メトホルミンの添付文書が改訂され、「重度の腎機能障害(eGFR<30 ml/min/1.73m2)のみ」が禁忌となりました
2019年5月31日に開催された「令和元年度 第3回安全対策調査会」において、「メトホルミン含有製剤における禁忌「腎機能障害」等に係る「使用上の注意」の改訂について」が議論され、重度の腎機能障害(eGFR<30 ml/min/1.73m2)のみを禁忌とし、それ以外の腎機能障害については、eGFRに基づき1日最高用量の目安を記載することとなりました1)。
これまでわが国では、日本糖尿病学会の「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」において「腎機能をeGFRで評価し、30mL/min/1.73m²未満は禁忌、30~45mL/min/1.73m²は慎重投与する」と示されていましたが、添付文書上の禁忌はメトホルミン製剤によって異なり、軽度から中等度の腎機能障害が禁忌とされ、一律の記載とはなっていませんでした。今般、腎機能障害患者におけるメトホルミンの安全性に関する最新の科学的知見に基づき、海外の添付文書が改訂されたことを鑑み、厚生労働省としてもメトホルミン含有製剤の添付文書における腎機能障害患者及び乳酸アシドーシスに関する注意喚起についての見直しを検討することとなり、上記改訂に至りました。
なお、腎機能障害患者に係る1日最高用量の目安については以下の通りとなっています。
eGFR(ml/min/1.73m2) | 1日最高投与量の目安 |
60≦eGFR<90 | 2,250 mg |
45≦eGFR<60 | 1,500 mg |
30≦eGFR<45 | 750 mg |
eGFR<30 | 禁忌 |
1) 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000514731.pdf